蝉しぐれ
かざぐるま
歌詞・一青窈
作曲・武部聡志
あれは十四、五の
ほのか照れ隠し
ふたりで歩こうと決めた川ではないけど
いつのまにここに
いつのまによそに
水玉模様の僕は
両手をふり返す

ただとおりすぎただけ
君がまわるため
どこ吹いた風でした
くるりかざぐるま
幸せだから、と
急にいい人に
いつか帰ろうと決めた町ではないけど
いつのまにかわり
いつのまにふたり
幸せな夢の中で
きれいに泳げたの

ただお目にかかるため
君がまわるため
どこ吹いた風でした
くるりかざぐるま
ただ遠くはなれても
君が笑うため
どこ吹いた風でした
くるりかざぐるま
待つことも恋でした
くるりかざぐるま

君が沈むまで
僕と沈むまで
幸せな夢の中で

サウンドトラック

岩代太郎

岩代太郎 メッセージ
20年以上にもわたって、藤沢周平作品に魅了され続けた私にとって、この「蝉しぐれ」という作品はその題名を聞いただけで鳥肌モノである名作。 その名作が持つ衝動的な感動や高揚感を存分に満足させてくれる脚本を初めて目にし、さらに編集後の映像をも目にして、近年稀なほどの幸福感に数日間、酔いしれたものです。
その後、約1ヶ月間。苦しくも楽しい、辛くとも嬉しい、そんな作曲期間を経て私は意気揚々とレコーディングに突入したのでした。レコーディングでは、渾身の情熱を振り絞ってタクトを振り、この映画のために作曲したスコアにこめられた想いをオーケストラの面々にも伝えるべく全力を尽くしました。
その結果は充分にレコーディングされた音楽へ反映されたと自負しています。
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プロフィール
岩代太郎 (いわしろ たろう)

1965年5月1日生まれ。東京都出身。
91年、東京芸術大学大学院修士課程修了作品「世界のいちばん遠い土地へ」がシルクロード管弦楽国際作曲コンクールにて最優秀賞を受賞。以降、テレビ、映画、アニメ、舞台など幅広いジャンルにて活躍する。
99年テレビ「With Love」のサントラ盤で日本ゴールドディスク大賞を、05年映画「血と骨」で日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。また、「葵 徳川三代」(00年)に続き、NHK大河ドラマ「義経」の音楽を担当するなど、近年の活躍もめざましい。
05年には映画「ヒナゴン」、「忍-SHINOBI-」、「春の雪」、「あおげば尊し」が公開予定。
【主な映画音楽】
「あした」(95年) 「釣りバカ日誌14」(03年) 「さよなら、クロ」(03年) 「あずみ」(03年) 「殺人の追憶」(03年・韓国) 「血と骨」(04年) 「春の雪」(05年公開)など多数

イメージソング

一青窈

一青窈

メッセージ
伝えるべきことはいっぱいあったのに
いざ顔を見るとでてこなくなる。

この映画に出てくる役者は、
想いを顔で語っている。
正直言うと、時代劇は苦手だった。
しかしこの映画を観て心が変わった。
また、好きなものがふえた。

親の生き様をまま受け継いだ
おとこらしい男、文四郎の潔さは美しい。
幼き日の純愛を密かに心にしまい込んだ女、
ふくの立ち居振る舞いもまた美しい。
正しく生きることはむつかしい。

しかし、ここにはその正しさが
何よりも尊いのだと
その美しさが証明をしてくれている。

ひたむきな想いに心を打たれて私は涙した。
ストーリーすべてに一貫して流れる
この一途さはつまり黒土監督の情熱である。
激しく、また愛おしく。
蝉が羽音をならして人生を唄うように
人を愛し、正義を愛している。
それはとても美しく、言葉は風になる。

自分を取り囲むすべてのひとたちへ
言えなかった言葉が今の自分を突き動かしているのだと思う。
だからわたしは泣いて笑って
いまを生きている。

どうか貴方もこの映画で時代劇を
好きになって欲しい。
そして伝えてほしい。
「ありがとう」と「ごめんなさい」、を。

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プロフィール
一青窈 (ひとと よう)

1976年9月20日東京生まれ。
台湾人の父と日本人の母の間に生まれる。台北で幼稚
園を卒園後、日本で生活。慶應義塾大学環境情報学部(SFC)卒。
大学時代にはアカペラサークルでストリートライヴも行う。2002年「もらい泣き」
でデビュー、2004年には台湾の巨匠、ホウ・シャオシェン監督による、映画「珈琲時
光」初主演、「ハナミズキ」のロングヒットと、活躍の場所を広げる。今年8月に
は京都祇園甲部歌舞練場でのワンマンライヴ、9月21日には、本作イメージソング
となる「かざぐるま」を発売

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映画「蝉しぐれ」イメージソング 「かざぐるま」歌詞